【平和記念公園の見どころ】込められた思いが分かる|回り方マップ付き

かつて繁華街だった街は、たくさんの祈りを背負って、都市公園になりました。
ここは、世界中の人が、過去の広島に会いに来る場所。平和記念公園。

平和記念公園には、たくさんの見どころがあります。
原爆ドームや平和記念資料館、慰霊碑にモニュメントの数々。

けれど本当に大切なのは、「何ヶ所行ったか」ではなく「何を持ち帰ったか」ではないでしょうか。
無理にたくさん回る必要はありません。滞在時間が短くても、自分の心と向き合える時間にすることはできます。

この記事では、平和記念公園の見どころと込められた思い、おすすめの回り方(3つのモデルコース)をマップ付きで紹介します。
目次

平和記念公園の見どころ|歴史・込められた思い・主要スポット

平和記念公園は、原爆死没者の慰霊と世界恒久平和を祈念して開設された都市公園です。
公園内には、原爆ドーム、広島平和記念資料館、原爆死没者慰霊碑、平和の願いを込めて設置された数々のモニュメントなどがあります。
主な見どころと場所は、以下の図をご覧ください。
平和記念公園の歴史と込められた思い、主要モニュメントの見どころと誕生年をまとめた図解。

平和記念公園の回り方|3つのモデルコースと歩き方マップ(所要時間別)

平和記念公園の回り方は自由ですが、ここでは自分の心に向き合いながら、祈りを受け取り未来に返す回り方を3つ紹介します。
旅の目的や時間などによってお選びください。

平和記念公園内を回る時間は、平和記念資料館にどれだけ滞在するかで大きく変わってきます。
資料館は最低でも40分、じっくり見る場合には2時間程度の時間が必要です。

まずはこの図で、平和記念公園の全体像をつかんでください。
平和記念公園周辺のイラストマップ。原爆ドーム、原爆の子の像、平和の灯、平和記念資料館など、主要スポットの位置を示した地図。
平和記念公園の回り方 コース紹介
ミニ広島コース 1〜2時間
スポットを厳選し、短い時間でもしっかり感じることができるコース
基本コース 3〜4時間
広島の過去に思いを寄せるコース
ディープ広島コース 4〜6時間
広島の過去と向き合い、平和について考えるコース

ミニ広島コース 1〜2時間

スポットを厳選し、短い時間でもしっかり感じることができる回り方です。2時間程度あれば回ることができます。
巡るスポット
①本川小学校平和資料館→②原爆ドーム→③ひろしまリバークルーズ
ミニ広島コース(平和記念公園周辺の歩き方)マップ
本川小学校は、爆心地から最も近い小学校でした。
まずは本川小学校平和資料館で、当時の子どもの視点から、8月6日の現実を感じます。
その後は川沿いを歩いて原爆ドームへ向かいます。
校舎の記憶から、街そのものが受けた被害へと視点が移り、過去の出来事が少しずつ輪郭を持ち始めます。
最後に、ひろしまリバークルーズに乗って現在の街並みを眺めます。
人々の暮らしが戻り、今の広島が息づいていることを実感でき、過去と現在が自然につながる体験になります。

基本コース 3〜4時間

広島の過去に思いを寄せる、3~4時間程度のコースです。
巡るスポット
①平和記念資料館→②原爆死没者慰霊碑→③原爆の子の像→④原爆ドーム→⑤おりづるタワー
基本コース(平和記念公園周辺の歩き方)マップ
まず平和記念資料館を訪れます。
展示を通して、広島で起こった出来事を順を追って理解できるため、このコースでは出発点にしています。
館内は見どころが多く、内容が濃いので、少しずつ、自分のペースで当時の広島に向き合ってみてください。
資料館を出たあとは、原爆死没者慰霊碑へ向かいます。
先に資料館を見ていると、碑文が持つ意味がより立体的に感じられます。
そのまま平和の灯の横を進み、奥へ歩くと原爆の子の像があります。
未来への願いが込められた場所で、資料館とは異なる角度から考える時間が生まれます。
続いて元安橋を渡り、原爆ドームへ移動します。
建物の姿を前にすると、街が受けた衝撃が言葉よりも強く伝わってきます。
最後はおりづるタワーへ向かいます。
高さのある場所から街並みを眺めると、現在の広島の息づかいが感じられます。
資料館や公園を巡ったあとに現在の広島を見ることで、過去と今のつながりがゆっくりと立ち上がってくる締めくくりになります。

ディープ広島コース 4〜6時間

広島の過去と向き合い、平和について考えるコースです。 
巡るスポット
①平和記念資料館→②原爆死没者慰霊碑→ランチ→③本川小学校平和資料館→④平和の鐘→⑤原爆の子の像→⑥原爆ドーム→⑦おりづるタワー→⑧平和記念資料館
ディープ広島コース(平和記念公園周辺の歩き方)マップ
まず平和記念資料館を訪れます。
広島で起こった出来事を時系列で理解し、この日の出発点とします。
そのあとは原爆死没者慰霊碑へ向かいます。
資料館で得た視点があると、碑文が持つ意味をより深く考えられます。
慰霊碑を後にしたらランチへ向かい、一息つきます。
歩く前に少し間を置くことで、気持ちが落ち着き、午後の時間が整います。
食事のあとは本川小学校平和資料館へ。
ここでは、当時の小学生の視点が展示されています。
一人の子どもの視点に触れることで、資料館だけでは見えなかった感覚が立ち上がります。
続いて、平和の鐘の横を通り、原爆の子の像へ。
未来への願いが込められた場所で、視点が少し変わる時間になります。
そのまま原爆ドームへ向かいます。
建物の姿を前にすると、街が受けた衝撃が伝わってきます。
次におりづるタワーに登り、現在の広島を眺めます。
街に流れる空気や人々の暮らしが見えることで、時間の流れが自然につながります。
そして最後に、もう一度平和記念資料館に戻ります。
二度目の訪問では、一回目は見えなかった視点や考えが生まれることがあります。
資料館は訪れるたびに受け取るものが変わる場所で、このコースの締めくくりにふさわしい時間になります。

よくある質問

ここからは、平和記念公園でよく聞かれる質問をまとめました。

平和記念資料館は何分くらいあれば見て回れますか?

個人差が大きいです。ざっとみるだけでも30分くらいは見ておいた方がいいです。しっかり展示を見るのであれば、2時間くらいは確保しておくといいですね。

平和記念資料館は予約した方がいいですか?

事前にWEBチケットを購入すると、当日チケット売り場に並ぶ必要がなく入れるので、おすすめです。

平和記念資料館がすいている時間はありますか?

7:30~8:30及び17:30~18:30の入館にはWEBチケットが必要で、この時間は比較的空いています。
また、午後よりも午前中の方が混雑は少ないです。

平和記念資料館で泣いてしまっても大丈夫ですか?

大丈夫です。平和記念資料館は、人それぞれの受け取り方が尊重されている場所です。
泣くことは何の問題もなく、自分のペースで見ていけば大丈夫です。

気分が沈んでしまった時のおすすめスポットはありますか?

ひろしまリバークルーズやおりづるタワーなど、過去と現在の広島をゆるやかにつなげるスポットがおすすめです。また、カフェに入ってゆっくりしたり、平和記念公園のベンチでぼーっとするのもおすすめです。

平和記念資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館はどう違いますか?

広島平和記念資料館は、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料を収集・展示するととともに、広島の被爆前後の歩みや核時代の状況などについて紹介している場所です。一方国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、原爆の犠牲者を追悼する施設です。

平和記念資料館に2回行ってもいいですか?

はい、平和記念資料館は内容が濃く、複数回行っても新しい気づきが得られる場所です。
本記事のコースでは1日に2回資料館に行くコースを紹介していますが、広島の滞在期間が許す場合は、日にちを空けて行くのもおすすめです。

本川小学校平和資料館と、平和記念資料館はどちらを先に行くのがいいですか?

本川小学校平和資料館を先に行くと、1人の小学生の視点で出来事を捉えることができ、広島での出来事を身近に感じます。
平和記念資料館から行くと、マクロな視点から核兵器や被爆の実相を知ることができます。
どちらを先に行くかは好みですが、両方行くのであれば、本川小学校平和資料館を先に行くと理解がしやすいかもしれません。
しゅんぎく
広島がもっと好きになるきっかけを、そっと置いています。
えきもほてお編集長|HIT AWARD 2022 エキスパート賞 受賞
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